concos.peg bag "REC" 開発ストーリー

concos.peg bag "REC" 開発ストーリー

はじまり

concosのペグバッグ"REC"。

構想から1年2ヶ月。試作品を作り直すこと7回。

完成までの道のりは、本当に気が遠くなるほど紆余曲折ありました。

 

構想案を出すまではあっと言う間だったんです。

 

concosのコンテナバッグ"CCB"の発売準備が進む中、

”CCB"に続いてconcosの帆布製品として、

縦長の箱型バッグをconcosのランタンケースに

横長の箱型バッグをconcosのペグバッグとして

凡用型箱型バッグ3部作と位置づけ、企画は同時にスタート。

シンプルな横長の箱型バッグ。

"CCB"を仕上げた自分たちなら、

きっとあっという間に商品化できる!!

意気揚々と

"REC”の物語は始まりました。

 

 

 

企画とコンセプト

横長の箱型バッグ。

ペグやハンマーをまとめて収納できて、持ち運びやすいバッグ

この用途なら形状的にもすぐクリアできる!

シンプルな形状だからこそ、更に多岐に用途を付け加えて、

マルチギアにできるのではないか?

沢山の用途を提案できたほうが、ユーザーさんにとっても嬉しいのではないか?

【あれにもこれにも使えちゃう横長箱型バッグ】

というコンセプトで企画は開始しました。

 この判断が迷走の始まりだとは気付かずに。。。

 

 

concosのように企画、デザインから製品化を目指す場合、

中国の工場ではなかなか意図をくんでもらえず、

思ったように製品化を進めてゆくことができませんでした。

企画はすぐに滞りました。

これは縦型のバッグ(後のOWL)も同じ壁にぶち当たり、頓挫寸前まで迷走します。

言葉、文化、美意識、価値基準

自分たちの当たり前は国をまたぐと全く通じませんでした。

つくりたいものが複雑になるほどに、形を生み出す作業は困難になっていきました。

 

 そんな最中、ひょんなご縁から

日本国内の工房の作家さんを紹介いただき、concos製品の試作品を国内でつくる事ができるようになりました。

"OWL"のプロダクトストーリーにて、企画の迷走と作家さんとの出会いを綴っています。

こうしてようやく滞った企画は動き出し、

自分たちの付けたい用途をモリモリに詰め込んだ案を作家さんに持ち込み、プロトタイプの作成に取り掛かりました。

 モリモリに詰め込んで。。。

 

 

見失った完成形

作家さんに企画を持ち込み数ヶ月、試作初号機が仕上がったとの一報が。

期待に胸を膨らませ、ついに対面の時が!!

 当初、想像していたイメージは

コンパクトに機能を盛り込んだ機動戦士ガンダムって感じでした。

 

 

しかし、そこに仕上がっていたのは・・・

ゴリゴリにマッチョなものでした!

例えるなら、フルアーマーZZガンダム!!

※ガンダム知らない方すいませんww

 

 

機能を詰め込みすぎて、規格に収まらず、

モリモリにビルドアップされたバッグになってしまいました。

それこそカメラや精密機械を入れられそうなほど頑強ではあったのですが

売価は1万円を超えなければ販売もできないほどの重装備で本来の目的とはあまりに違っていたため、すぐに補正をかけることとなりました。

 

必要のない装備を極力減らしては、確認。減らしては確認。

気がつけば2ヶ月3ヶ月と時間が過ぎ、

つけすぎた筋力は、削ぎ落としても削ぎ落としても理想に近づくことができず、もはや当初のイメージを完全に見失っていました。。。

 

そして完成形を見失ったまま製品化への準備が進んでしまいます。

この時出来上がっていたサンプルは

本来の箱型のペグバッグに、サイドストレージボックスやスパイスボックスといった機能を無理やり乗せたようなものでした。

なんとか形としては、それらしく保ってはいるものの

生産コストは予算を大きく上回り、それでも販売に向けて進むためには

妥協、という言葉が何度も頭をよぎっていました。

 

実際に中国でも量産に向けたサンプル作成まで進み、

こちらのGOサインを待たせている状態でした。

 

もはや答えは完全に霧の中となっていたのです。

 

 

見失った事への気付き、そして原点へ

混迷を極める最中、縦型バッグで企画していた

Lantern shield bag "OWL"は開発が進み、いよいよ発売を開始。

 

ランタンケースとして沢山の方にご購入いただき

嬉しい評価やお声を沢山いただくことができました。

"OWL"はランタンを護る最強のケース

という軸をブレさせる事なく、シンプルな縦長バッグとして昇華されました。

 

沢山のユーザーさん達の声を

一つ一つしっかりと読み、聞いていく中で

開発チームは大切なことに気付かされました。

 

こちらがあれやこれやと用途や機能を付けたり、説明したりしなくとも

キャンパーさん達は楽しみながら、必要な欲しいものを選ぶし、キャンパーさん達が使いたいように使う。

 

横長の箱型バッグならば、

ただconcosらしく、シンプルな横長の箱型にすれば良いのではないか?

”まずは、自分たちがいつでも使いたくなる、欲しいと心から思えるもの”をつくりあげ

結果として、そこに共感してくださるユーザーさんが喜んでくださる製品が

concosの原点であり、concosらしい信念だったのではないか。

と思えたのです。

 

 そして、チームは決意しました。

1からやり直すことを。。。

 

ついにプロトタイプ完成

中国への依頼を差し止め

もう一度企画とコンセプトを振り出しに戻して、試作に取りかかりました。

 原点に立ち返り、本当に自分たちがつくりたかったものを

見つめ直して企画し、作家さんと1からやり直しました。

 

 

そして半年。

こうして仕上がったプロトタイプは

シンプルにして必要な機能を備えた

concosらしい横長の箱型バッグとして仕上がったのです。

 

足りない所もある。

最高の機能性ではないかもしれない。

ただ、

これまでのどのプロトタイプのものより

concosらしく、最高に愛着をもつことのできる

そして

これは自分たちでも沢山使いたい!!

と思えるバッグになりました。

 

こうして、ついに生産への道筋が見えたのでした。

 

度重なる試練とその先の幸運

ついに、製品化可能なプロトタイプが仕上がり

発売に向けてチームも一気にボルテージが上がる!!!

 

はずが、今度は外的要因での試練が降りかかりました。。。

 

歴史的な円安による原価率の著しい高騰。

そのコスト調整のために、仕様や、運送手段等様々な予期せぬ対応がふりかかり、

その上に

ゼロコロナ政策の影響により、全く見通しの立たない

大幅な生産遅延や輸送の遅延が頻発。

販売の計画や目処がなかなか立たず、ひたすら待たされてしまうという

コントロール不可な事態に見舞われてしまいました。

 

発売するぞ~~~!!

とプロトタイプのビジュアルを公開しておいて、

まったく発売の目処がたたない。。。

困り果てた開発陣は知恵を振り絞って考えました。

 

ビジュアルは公開はしてしまった。

でも発売までの時間はわからないほどある。

 

それなら!!

公開してしまったこのバッグのビジュアルから、

ユーザーさんやフォロワーさんに

このバッグの愛称を一緒に考えてもらったらどうだろうか?

 

こうして、SNSで愛称を募集することになりました。

すると、

あたたかいユーザーさんやフォロワーさんが、

本当に沢山応募してくださり、

みなさんと一緒に考えた愛称が

初めて、concos製品の愛称として名付けていただくことが出来ました。

その名は"REC"

 

雄大な時間とドラマを経て

"REC"はついに完成の時を迎えることが出来たのです。

 

 

P.S.

名付けていただいた”REC"

箱にもしっかり"REC"への想いを乗せよう!

と外箱もデザインし、生産したのですが、

こちらもしっかりとゼロコロナ政策の影響をモロに喰らってしまい

更に発売を遅らせるというオチまで付いてしまいました。

とにかく"REC"は最後まで時間がかかりました

その分可愛くて仕方ない、チームからも愛される製品になりました。

 

 

 

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